オペラ歌手にとって「横隔膜を使ったほんとうの呼吸」は、声を響かせるための命綱です。
なぜなら、オペラはマイクを使わずに劇場の最後列まで声を届ける必要があるからです。
1) 強い声ではなく「響く声」
胸式呼吸では息がすぐ切れ、声が細く響きません。無理に声を張れば喉を痛めます。一方、横隔膜を使うと息をコントロールでき、長く安定したフレーズを歌えます。喉に負担をかけずに豊かな響きを生み、小さな声でも遠くまで届くのです。
2)息の支えが声の土台
呼吸は建物の「土台」のようなもの。浅い呼吸は砂の上に建てるように不安定ですが、横隔膜を使った呼吸ならどっしりと安定し、どの音域でもブレずに歌えます。
3)「ほんとうの呼吸」で表現力アップ
浅い呼吸だと息が続かず、感情を表現する余裕がなくなります。逆に息をコントロールできれば、強弱やフレーズを自由に操れ、声に自然な感情が乗ります。
オペラ歌手が大切にする「息の柱」とは、腹横筋(ふくおうきん)などの呼吸筋で支える息の流れです。
簡単トレーニング:「息の柱」を感じる
1.壁に背をつけて立ち、姿勢を整える
2.胸とお腹を同時に膨らませながらゆっくり吸う
3.「フーーーッ」とロウソクの火を遠くに吹くように息を細く長く吐く これを意識すると、声の安定感が大きく変わります。
【まとめ】
息のコントロールが声を安定させ、表現力を豊かにします。この呼吸法はオペラ歌手だけでなく、コーラスやカラオケ、スピーチにも役立ちます。ぜひ試してみてください!